レイキはタッチヒーリングや手かざしに分類されるヒーリングの技法で、日本の新興宗教を源流としていますが、日本で廃れ、ハワイ経由で西洋社会に広まる中で宗教性が薄まり、広く認知され多くのヒーラーが使っています。

アメリカ版厚生労働省であるＮＩＨが臨床実験に使っているのもレイキですし、医学論文で気功と言えばほとんどがレイキです。

僕自身もレイキヒーラーでもあり、様々な技術の中でレイキをメインに施術していた時期もありました。

シンボルとマントラを使うだけというシンプルな技術で、誰でも使えるというのは事実です。

エネルギーヒーリングの世界ではレイキの評判はそれほど良くなく、使えない技術とされますが、レイキヒーラーの中にはとても強いパワーと技術をお持ちの方もいます。

有名な技術を持っていても、全く使いこなせないヒーラーがいるのと同じです。

結局はどの技術を持つかではなく、ヒーラー自身の問題に還元されると思います。

僕自身はヒーリング全般を気功として説明できると考えています。

ですからヒーリング技術の一つであるレイキも気功の一つとして説明可能です。

僕自身の仮説というよりは、苫米地(英人)理論の当然の帰結であり、最新の認知科学と脳科学の結論と言って良いと思います。



ヒーリング全般とは現代医療も含まれます。

呪術も陰陽道も、高度な催眠術や一部の魔法・超能力やスピリチュアルヒーリング、ホメオパシー、西洋医学、東洋医学も漢方も鍼灸もオステオパシーなども全てそうです。

ヒーリングのベテランの方々がこれらの技術を複数使いこなすのは、その本質である気功の部分を押さえていらっしゃるからだと僕は考えます。

ただ気功という言い方自体は本来はあまり適当ではないかもしれません。誤解を招きがちです。

気功自体は中国の伝統的なヒーリング手法の近代的な言い方です。

「近代的な言い方」というのは「気功」という言葉自体がそれほど古くない言葉だからです。

むしろ導引、布気などがむしろ伝統的な言い方でしょう。

「まといのば」の気功は苫米地英人氏が直接指導する苫米地式気功を基本としています。

(詳しくは気功『洗脳術』などを参照してください。)



すなわち、気功とは「共感覚による内部表現の書き換え」という定義です。

内部表現とは認知科学の用語であり、心のことです。

現代認知科学では心と身体は同じものと定義するので、内部表現とは心と身体とも言えます。



「内部表現書き換え」と言われてもピンと来ないので、人口に膾炙(かいしゃ)した気功という言葉を使っています。



ちなみに共感覚とは、音を光として認識したり、光を音として認識する先天的な能力のことです。

絶対音感を持つ人がいるように、共感覚者もある割合で存在します。

気功師はその共感覚を後天的に訓練によって獲得し、そのことで相手の内部表現(心と身体)にアクセスして書き換えることを仕事としています。



それは洗脳や催眠や暗示とどう違うのか？と聞かれますが、技術としては同じです。

高い抽象度で見れば、気功も洗脳も催眠も暗示も同じです。

ただ個別具体的に見ると違いがあります。

すなわち抽象度を下げれば違いが浮き上がります。



洗脳と気功はかなり同じ技術です。

ただ洗脳はクライアントではない第三者の利益、気功はクライアント本人の利益のために技術が使われる点が異なります。

催眠は言語誘導を主にしますが、気功や遠隔洗脳は基本的には言語は不要です。

暗示は、上手ではない気功のようなものです。苫米地先生によれば「暗示は使えない」そうです。

なぜなら無意識が否定することを意識で無理矢理肯定するのが暗示だからです。



例えば無意識はレモンが酸っぱいと分かっているのに、暗示で甘いと思わせるようなものです。

暗示は解けてしまえば、レモンは酸っぱいままです。

ですが気功や洗脳は無意識レベルでレモンは甘いと確信させてしまう技です。

だから「私はやせている」とか「私は美しい」という暗示は役に立たないのです。

むしろ無意識レベルでの抵抗にあって逆効果なのは多くの人が経験されているでしょう。

暗示と気功の違いは書き換えが表層的か、それとも無意識レベルまで到達しているかの違いです。



ちなみにアファメーションは暗示とは違います。

やっていることは似ていますが、本質的に全く逆です。

アファメーションとは言語による気功なのです。自分の内部表現を変える作業です。

変えた上でそれを確定していく作業です。



イメージトレーニングでも成果を出せる人と出せない人の違いはそこにあります。

ではどうやって無意識レベルに到達すればいいのでしょうか。

そのコツはシンプルです。

深い深い変性意識です。眠ってしまうようなリラックスです。

そして強烈なゴールです。その二つがあれば、テクニックは本質的には不要です。



レイキ自体は広い意味での気功であり、「内部表現書き換え」の有効な方法です。そのカラクリを抽象度高く見切った上で、レイキの技法を自分のヒーリングに取り入れるのは有効と考えます。