軍隊ではないことを
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先ほど、家族会よりMLで連絡が届きました。
今日、厚労省より正式にSMA治療薬「スピンラザ」の承認が発表されたそうです!!
詳細は↓日経新聞(電子版)を参照ください。
※追記
バイオジェン・ジャパンのHPにも、遅れてが掲載されました!
昨年12月の申請から約7か月。。。
ついに、世界初のSMA治療薬を、日本でも認めてもらえました。
(先行してアメリカ、EU、カナダでは承認済)
思いだすのは4年前の7月。
けんたんたんにSMAの確定診断が下り、入院中も痰詰まりを起こしてしまい、主治医からは「気管切開しなければ退院させられない」と言われました。
パパと私が悩み苦しんだ末、気管切開を決断できたのは、「近い将来、きっと治療薬が日本に届く」という微かな希望があったからです。
主治医からも、「新薬が来るとわかっているからこそ、今は安全第一にして、その日にむけて備える意義がある」と言われたからです。
日本ではSMAのことを知らない医師が多く、ましてや新薬の情報はすごく少なかった4年前。
きちんと情報を把握し、私達の背中を押してくれた主治医には、今も感謝しています。
しかし。
新薬が承認されても、投与が始まっても、やっとこれで「治療のスタート地点」に立ったにすぎません。
新薬を投与したら、
ハイ、もうすっかり元気!
体を自由に動かせるよ!
人工呼吸器なんていらないよ!
ご飯を口から食べれるようになるよ!
お喋りも、お絵かきも上手になるよ!
…って訳じゃないからです。
呼吸筋が強くなったとしても、人工鼻で過ごせる時間が少しずつ作れるようになったとしても、人工呼吸器はこの先何年もお世話になることでしょう。
息子の、筋肉がほとんど無い体。
自力で動かしたことのない体を、どうすれば思うように動かせるのか、彼はその術をまったく知りません。
これは我々が想像する以上に、非常に大きな壁になるはずです。
例えば健常な人なら、鼻がかゆいとき無意識に手を伸ばして鼻をかきますよね。
でも、けんたんたんはそんな動きをしたことが、人生で一度もありません。
「かゆい」感覚は正常にあっても、なすすべを知らず、言葉で知らせることもできず、じっと耐えてきた子なのです。
これからは体調管理のみならず、これまで以上に真剣に、本気で、リハビリに取り組む必要があります。
(もちろん体調管理は最優先ですよ、投薬スケジュールは初期は特に厳密に定められており、体調不良で打てないなんてことは絶対に避けなくてはなりません)
他動的であっても、積極的に動かさない限り、筋肉はつきません。
それは健常な人間であっても同じこと。
以前このブログでも紹介した、アメリカ在住のSMAっ子男子は、けんたんたんと同じ重篤なタイプの1型です。
生後7週で新薬の治験に参加することができ、今では歩行訓練もしているほど、驚愕の効果が出ています。
その彼の両親は、こんな趣旨のことをインタビュー記事で述べていました。
「薬を投与すればそれで終わり、ではない。とにかくリハビリに時間を注ぎこんで、やっとここまで身体能力がついてきた。うちは家中リハビリ器具であふれている」
また先日、新薬を投与しているSMAっ子の親御さんが、Facebookでこんな趣旨のことを投稿していました。
「せっかく投与して効果が出てきているのに、『あれ取って!』『私の足の位置を直してよ』『そんなこと私にはできない』という発言をし、動けないというこれまでの経験からマインドが抜け出せずにいる」
できないことに慣れすぎた子に、どうやって「少しずつ動かしていけば自分でできるようになる」ことを教えていくのか。。。
そして私自身も、「自分で動けない子」という経験や思い込みから抜け出して、息子ができることを1つでも増やせるように、必死に努力したいと思います。
でも今日は、今夜は、祝杯をあげさせてください。
ノンアルでね♪